ゴミ拾い祭り２０ＸＸ！！

「さぁ今年もやって参りました、ゴミ拾い祭り２０ＸＸ～ゴー・マイ・ヒーロー・ザ・ゴミヒロ～イ！！」
ハイな音頭と共に、ゴミ袋吹雪が特設ステージから舞う。勇者な有志一同は、我先に袋をゲットすると、各々ゴミを求め、屋台と客の犇めく通りへ散って行った。
日枝神社の春季例大祭。屋台出店数が七百以上、県民の五人に一人が足を運ぶと言われる、超ローカルイベントだ。
人が多ければ、問題になるのがゴミの始末。実行委員や住民が清掃とマナー向上に取り組んで来たが、祭りの後はポイ捨て・残飯・汚物で溢れ返るのが現実だった。

ある年、大学のサークルが提案した。
「だったら掃除も祭りにすれば？」
という事で、いかにゴミ拾いを盛り上げるか、アイディアと人員をSNSで募集。企画から予算捻出・実施風景まで公開した。
ちなみに、今年のゴミ袋はナンバーくじ。当選者は来年の運営になれるとあって、皆気合十分。街がいつも以上に綺麗だ。