お父さんが見たもの
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海外赴任している私に、お父さんが倒れたとの連絡が入った。病気など一度も患ったことがないお父さんが…私は取るものも取り敢えず、お父さんが搬送された病院に飛んで駆けつけた。
病室に入ると、お父さんは全身を硬直させ、焦点の定まらない目で意味不明の言葉を呟き続けていた。
「ご家族の方ですか」
「はい、私は娘です。お父さんは…」
病院の先生は、深くため息をついた。
「残念ながら、元のお父様には戻れないでしょう」
私は涙を啜りながら尋ねた。
「お父さんに…何が…」
「症状から考えますと、何か想像を絶する怖いもの、命の危険を感じるような恐ろしいものを見たのではないかと…」
私は、その場に泣き崩れた。お父さん、一体どうしたの?私達は死神の一族なのよ。怖いものなんてないはずよ!
私の思いも虚しく、お父さんはベッドの上で、全身を硬直させ、焦点の定まらない目で意味不明の言葉を呟き続けるだけだった。
病室に入ると、お父さんは全身を硬直させ、焦点の定まらない目で意味不明の言葉を呟き続けていた。
「ご家族の方ですか」
「はい、私は娘です。お父さんは…」
病院の先生は、深くため息をついた。
「残念ながら、元のお父様には戻れないでしょう」
私は涙を啜りながら尋ねた。
「お父さんに…何が…」
「症状から考えますと、何か想像を絶する怖いもの、命の危険を感じるような恐ろしいものを見たのではないかと…」
私は、その場に泣き崩れた。お父さん、一体どうしたの?私達は死神の一族なのよ。怖いものなんてないはずよ!
私の思いも虚しく、お父さんはベッドの上で、全身を硬直させ、焦点の定まらない目で意味不明の言葉を呟き続けるだけだった。
ミステリー・推理
公開:19/05/28 21:05
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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