ヒットマン

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俺は流離のヒットマン。日本全国あてのない旅をしている。
俺は今日、とある大会の控室で選手の背中に銃を押し当てている。
「手をあげろ」
俺の声に選手は勿論、周りにいた全員にも緊張が走る。
「ヘ~イ、タクシ~。なんつって」
俺の小粋なジョークに場が凍り付いた。ん?面白くなかったか?
『…何なんだあんた!俺は今から大事な大会があるんだぞ!それなのに恥をかかせやがって!何が目的だ!』
選手が顔を真っ赤にし、俺を怒鳴りつけた。
「ああ、見事にスベったな。じゃ、次は大会で見事な滑りを見せてくれ。大丈夫。あれ以上スベることも緊張することもない」
俺の言葉に選手はハッとした。表情を引き締めると氷上に上がり演技を披露する。
さすが世界一と噂されるフィギュアスケーターだ。
最後に選手は俺に向けて銃を撃つマネをした。
まったく…小粋なことをしやがって…
俺は流離のヒットマン。次はあんたの街に行くかもしれないぜ。
公開:19/05/30 19:19

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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