「鰤男」 十章 -血-
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「伊藤静香さんですね。私、こう言う者です。」
突然、アパートに押し掛けて来た二人の男性は静香の目の前に桜の代紋が付いた黒い手帳を提示した。
「例の事件の件であなたに詳しい話を聞きたいのですよ。署の方まで足を運んで頂けますか。勿論、任意ですので断って頂いても構いません。ですがその場合、後日、正式な書類をお持ちした後、家宅捜索をする可能性も御座います。好きな方を選んで頂いて構いませんよ。」
(なんて嫌な言い方だろう。私に拒否権は無いって事)
「分かりました。昼にでも伺います。警察に協力するのは国民の義務ですからね」
静香は二人の男性に思いっきり心の底からの渾身の嫌味を込めて言ってやった。
「それは有り難い。お待ちしておりますよ」
でも、二人はもうそんな事、慣れてしまっているのかノーダメージだった。どうやら静香の渾身の嫌味は闘牛士のマントの様に二人に当たる直前でさっと擦り抜けていったようだ。
突然、アパートに押し掛けて来た二人の男性は静香の目の前に桜の代紋が付いた黒い手帳を提示した。
「例の事件の件であなたに詳しい話を聞きたいのですよ。署の方まで足を運んで頂けますか。勿論、任意ですので断って頂いても構いません。ですがその場合、後日、正式な書類をお持ちした後、家宅捜索をする可能性も御座います。好きな方を選んで頂いて構いませんよ。」
(なんて嫌な言い方だろう。私に拒否権は無いって事)
「分かりました。昼にでも伺います。警察に協力するのは国民の義務ですからね」
静香は二人の男性に思いっきり心の底からの渾身の嫌味を込めて言ってやった。
「それは有り難い。お待ちしておりますよ」
でも、二人はもうそんな事、慣れてしまっているのかノーダメージだった。どうやら静香の渾身の嫌味は闘牛士のマントの様に二人に当たる直前でさっと擦り抜けていったようだ。
公開:19/05/27 18:52
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