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昔々、ある村から一人の幼子が鬼の生贄にと捧げられた。その幼子を見て鬼は激怒する。
「こんな骨と皮ばかりのモノを食って俺が満足すると思ったか!」
怒りに燃える鬼であったがふと思いつきました。幼子を肥え太らせ、好みの味に育てるのも面白いと。この大きさなら持ち運びに便利な弁当位にはなるだろうと。
鬼は幼子を太らせることにしました。幼子も生き延びる為、鬼の身の回りの世話をし始めました。
鬼はいつしか、幼子を弁当ではなく便利な道具とその評価を変えていきました。
そうして数年の時が経ち、幼子は立派な大人へと成長しました。
鬼はため息をつきます。不味そうな肉になったものだと。
気落ちする鬼に青年は思い切ったことを言いました。
「僕はこれからも貴方と一緒に居たい。どうか僕と夫婦になってはくれませんか?」
その言葉に鬼はどう答えたかは分からない。
ただ、その時に近くの村で「鬼嫁」という言葉が生まれたそうだ。
ファンタジー
公開:19/05/27 18:20

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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