「鰤男」 七章 -骨-

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定時報告
アパート周囲半径3キロメートル圏内を監視・巡回した結果、怪しい人物は居りませんでした。目下、ネット上の巡回も併せて実施予定。身の回りに不審な点があれば、気兼ねなく相談されたし

あの日、鰤男に相談してからと言うもの、決まった時間に匿名の人物から安全確認のメールが届くようになった。
私としては別に、「解決してくれ」だとか、「おねがい」と彼に頼んだつもりは毛頭ない。
私は一方的に話す悩み相談をうんうんと聞いてくれればそれで良かったのだ。それなのに・・。
「はぁ~、それにしても、一体、彼はどこで私の暮らしているアパートの住所を入手したのだろうか。誰にも私の住んでいる場所を教えていないはずなのに。もしかして、彼のそのストーカーだったりして・・・まさかね。そんなわけないわよ。気のせい、気のせい、私の考え過ぎよ」
静香は冗談交じりに言った。けれども、一度、浮かんだ疑惑は消えそうになかった。
公開:19/05/27 17:09
更新:19/05/27 17:11

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