「鰤男」 十五章 -ドロ沼-

0
2

鈴木は静香のスマホを預かり、それをネット犯罪対策課に持ち込んだ。
「このサイトに出入りしている全員のアドレスを調べてほしい。何か、犯人の痕跡が残しているかもしれない。事前に犯行声明だとか、犯行の様子を動画にアップしているとかな」
「ハイハイ、分かりました。時間があったらやっておきますんでそこに置いておいて下さいな」
「なぁ~、もう少し早くできないのか」
「はぁ~、何を言っているんですか。こっちは72時間ぶっ通しで寝ないで仕事をしているんですよ。
つまらない文句を言うのでしたら、もっと、こっちに人員と予算を寄こして下さい。
僕は大切な恋人の約束をキャンセルしてまでここに来たんです。
でも、その結果、さっき恋人からメールが来て「やっぱり私達、別れましょ」って告げられましたよ。こちとら、もう仕事しかないんです。ブラック企業、最高。この恨みは過労死してでも犯人逮捕に繋げますよ」
「ああ、頼むよ。」
公開:19/05/28 06:27
更新:19/05/28 08:45

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容