人証 (にんしょう)
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僕が写真部に入部したての頃のこと。
その日はまだ他の部員が来てなくて、先輩と部室に二人っきりだったんだ。
僕は買ったばかりのカメラのレンズ越しに部屋の中のあちこちを見ていた。
そして、あることを発見し、笑いながら先輩に話しかけた。
「先輩のリュック、顔認証されてますよ?」
すると、先輩はパイプ椅子に掛けてあった自分の黄色いリュックにポンと手を置いて言った。
「ああ、これ俺の妹なんだ」
言下に先輩のハスキーな声とは正反対の、妙に甲高い声が響いた。
「こんにちは!兄がいつもお世話になってます!」
僕は冗談だと思って、また笑いながら返した。
「腹話術ですか?お上手ですね」
「腹話術じゃないよ」
「本当に妹です」
先輩の声と高い声、二つの声が重なった。
その日はまだ他の部員が来てなくて、先輩と部室に二人っきりだったんだ。
僕は買ったばかりのカメラのレンズ越しに部屋の中のあちこちを見ていた。
そして、あることを発見し、笑いながら先輩に話しかけた。
「先輩のリュック、顔認証されてますよ?」
すると、先輩はパイプ椅子に掛けてあった自分の黄色いリュックにポンと手を置いて言った。
「ああ、これ俺の妹なんだ」
言下に先輩のハスキーな声とは正反対の、妙に甲高い声が響いた。
「こんにちは!兄がいつもお世話になってます!」
僕は冗談だと思って、また笑いながら返した。
「腹話術ですか?お上手ですね」
「腹話術じゃないよ」
「本当に妹です」
先輩の声と高い声、二つの声が重なった。
ホラー
公開:19/05/28 01:25
先輩
妹
顔認証
作者にもよく分からないなにか
超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
Twitter @maybePURIN
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