ペッパー警部の事件簿４『冷製なる殺意』

音楽祭・ベジフェスの裏で事件は発生。
ポテトレコードの男爵会長が、冷たいビシソワーズとなって、冷蔵庫から発見された。
現場で争った形跡はなく、顔見知りの犯行か。
死亡推定時刻前後の所属アーティストたちの映像を見たが、ステージ衣装姿で、手がかりはなし。
犯人は相当な返りデンプンを浴びたはず。
現場にある風呂場を覗く。使用した形跡はない。シャワーをひねる。ん？水が流れない…こ、これは！

事件は解決です。
犯人は、今、ステージで歌って踊っている彼女。
がすーぱちょぱちょです！
この３時間前と１時間前の映像。解像度を上げてみると、同じ赤い衣装のようで生地の質感が違う。
そして、これが風呂場の排水溝に。
彼女は犯行後、熱々のシャワーを浴び、衣装ごと湯剥きをしたのです。風呂場の水滴は拭いたようだが、この皮が何よりの証拠。
彼女は会長に捨てられた。
冷たい復讐だが、一皮剥けた今の彼女は切なくも美しい。