223. ビューティフルサンデー

大手商社との契約を目指し、金沢で上位の人気を誇る由緒正しき高級料亭で接待することとなった。
今日は日曜だが、直近ではこの日しか予約が取れなかった。

「到着しました。中へどうぞ！」
そこでふと相手方の専務が、もう１つ別の入り口で人が列を為しているのに気がついた。
「あの行列は何ですか？」
迎えに出てきていた女将が説明をはじめた。
「実はこちらで日曜日だけ特別に作っているものが人気で、皆さんそれに並んで下さってるのです。金箔をふんだんに使用したスイーツで、ビューティフル…」
「「「サンデー！」」」
私たちは同時に声をあげた。

「ほう、実は把握しておりましたよ。わが社の金箔を使用していますよね。ですから今日ここを指定した御社のセンスは中々のものだと」
「そうだったんですか！」
「まだ食事の前ですが契約をお約束しましょう」
そう言うと高らかに歌いはじめた。

「さわっやかなーにちよぅ～♪」