おちる

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残業帰り、いつもの帰り道を歩いていると、ポッと何か降ってきた。
「?」
見ると松ぼっくりだった。風に吹かれて落ちたのだろう。俺は気に留めなかった。
パタッ。
また何か落ちてきた。ペンだ。どうしてこんなものが。訝しく思いながら家路を辿った。
バタッ。
大きなものが俺の横に落ちてきた。女物の鞄だ。中身が地面にぶちまけられ、転がる。薄気味悪く感じ、無視した。
ドカッ。
鴉が落ちてきた。口を大きく開けて、半分潰れてるがまだ生きてる。カアと一鳴きして、俺を睨んで死んだ。頭上で、ぎぃと枝が軋むような音がした。
俺は怖くなり、先を急いだ。よくわからないが頭上に何かがいる。
ベタッと何か足元に落ちた。髪の毛が落ちて来て地面を汚した。それから玩具、下着、目玉が落ちた。
家の門が見えた!俺は駆け込み、扉に手をかけた。
ドンと何か降って来た。見ると、妻の頭が俺を見上げている。口から血を垂らし、それから笑った。
ホラー
公開:19/05/26 22:15

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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