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私は食べるのが遅い。給食ではいつも時間内に食べ終えることが出来ず、昼休みを半分以上使ってしまう。
我ながら損しているという自覚はある。しかし、早く食べられないのだから仕方ない。
先に遊びに出る友達に後で合流すると約束し、私は食事を続ける。
そんな友達もさすがに遠足の時は私に付き合ってくれない。そりゃそうだよね。遠足なんだから早くご飯を食べて遊びたいよね。だから私は遠足が嫌いだった。
ある遠足の日、母が私にオーロラソースを持たせた。
「これで皆と一緒に食事ができるわよ」
そんな魔法の道具があれば苦労はしない。そう思いながらも私は食事前に母から渡されたオーロラソースを開けた。
すると中からオーロラが飛び出し、私の目の前でゆらゆらと揺れている。
その光景に友達は目を奪われた。箸の進みが私と同じ速度だ。
友達と一緒にお弁当を食べることが出来た!一緒に食べ終わることが出来た!
魔法の道具は実在した。
ファンタジー
公開:19/05/26 18:27

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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