My Mother

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子どもの頃から父はいつも褒めてくれた。「わがままだ」と。我がママのようだ、だなんて母を尊敬する私にとって心底嬉しかった。だから私はわがままを貫いて育った。

わがままに大学を卒業後、わがままに一流会社に入社した。そして同期の優しいイケメン次男とわがままに寿退社した。会社の皆はあの子本当わがままだ、と褒めてくれて嬉しかった。

そして生まれた子供の3歳の誕生日。
桃太郎の読み聞かせをしている時に思った。

私もどんぶらこしたい。

元の会社に桃型の船を造らせ、子育ては旦那に任せて川に船を浮かべた。

どんぶらこ~
どんぶらこ~

最高。
桃太郎め、大事な事隠してたな。

私は川辺に現れた老女達から逃げるようにどんぶらと海へ出た。

突然目の前に大きな海賊船が現れた。沢山の海賊を従え、その船首には五年ぶりの懐かしい人影が。

「この、ワガママ娘!」

ママにも褒められた。
ファンタジー
公開:19/05/26 11:49
スクー わがまま娘どんぶらこ

たらはかに( 日本 )

たらはかに

https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。

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