雪のうで

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彼の右腕はひどく冷たい。
いつだったかそれについて聞いてみたことがあった。

前世が雪女だったかららしい。
そんな風なことを言っていた気がする。
私は彼の側に行っても、その右手と手をつなぐことは出来ないし、間違って触れそうになっても彼がそれを避ける。
それは仕方のないことで、分かっているのだけれど、ほんの少し寂しい時がある。
昨日そのことで喧嘩になってしまって、何となく同棲している家に帰るのが少し気まずい。
自分でもあそこまで感情が溢れてくるとは思ってもみなかった。
静かに帰宅。彼はもう中にいる。
「おかえり。あのさ、ちょっと来て」
彼からの言葉。
「……うん」
何だろう。
リビングに入る。

部屋一面、雪と氷でできた装飾。それぞれに光を反射してきらきらと輝く。
「普段、あんまり側に近づけないから。せめてこの手で何かできないかなと思って」

初めて出会った日のイルミネーションを思い出した。
ファンタジー
公開:19/05/26 16:00

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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