おにごっこ
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かつて鬼が、そこかしこを跋扈していた時代があった。
彼らは人里に現れては、そこに住む人々をとって喰らっていたという。
「また俺が鬼かよー」
「よーし、逃げるぞー! ちゃんと十数えろよー?」
「わかってるよ」
「みんなにげろー!」
僕らはいつもの仲間で鬼ごっこをしていた。
場所は近くの神社。夕方になっていたと思う。
春から夏に季節が切り替わる頃。まだ外はずいぶん明るかった。
鬼役の僕は十秒数えて彼らを探す。
視界の隅で誰かが見えた。
「わっ」
今の声はわたるくん。僕はしめた、と思い追いかける。
古くなって取り換えられた鬼瓦が、神社の隅に飾ってある。その横を通り過ぎる。
鈴のような音が耳をかすめた気がして、
……異変に気付く。
逃げたはずの彼の足音が聞こえない。
やけに静か。
いつものひそひそ声もない。
誰かが僕の肩に触れる。
「なぁんだ、びっくりした」
ふり返る。
「……助け
彼らは人里に現れては、そこに住む人々をとって喰らっていたという。
「また俺が鬼かよー」
「よーし、逃げるぞー! ちゃんと十数えろよー?」
「わかってるよ」
「みんなにげろー!」
僕らはいつもの仲間で鬼ごっこをしていた。
場所は近くの神社。夕方になっていたと思う。
春から夏に季節が切り替わる頃。まだ外はずいぶん明るかった。
鬼役の僕は十秒数えて彼らを探す。
視界の隅で誰かが見えた。
「わっ」
今の声はわたるくん。僕はしめた、と思い追いかける。
古くなって取り換えられた鬼瓦が、神社の隅に飾ってある。その横を通り過ぎる。
鈴のような音が耳をかすめた気がして、
……異変に気付く。
逃げたはずの彼の足音が聞こえない。
やけに静か。
いつものひそひそ声もない。
誰かが僕の肩に触れる。
「なぁんだ、びっくりした」
ふり返る。
「……助け
ホラー
公開:19/05/24 16:00
スク―
蘇る鬼ごっこ
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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