おばあさんのせんたく

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昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯していると、川上の方から
どんぶらこ、どんぶらこと大きな桃が流れてきました。
つづけて、その後ろから大きな樽に乗って
どんぶらこ、どんぶらことわがまま娘が流れてきました。
おそらくいつものように、家出をしてきたのでしょう。

おばあさんには、両方とも拾い上げる時間も体力もありません。
早く洗濯を済ませたいおばあさん。片方だけ選択します。

「おばあさん……また?」
わがまま娘は気だるそうに言います。
「そんなこと言わないで、早くお家にお帰り」とおばあさん。
「……はぁい」
おばあさんの有無を言わせない声色に、わがまま娘は仕方なく帰っていきました。

まだ、おばあさんは知りませんでした。
この選択が、人類を存亡の機に追い込むことになろうとは。
その他
公開:19/05/23 09:07
スク― わがまま娘、どんぶらこ

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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