優しい夕空が続けば、また会えるかな

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私は、一週間分のたまりにたまった洗濯物をコインランドリーに持っていった。

店では、数台の洗濯機がぐるぐると回転していた。

私は、大きめのボストンバッグから、洗濯物を取り出し、空いていた洗濯機の中に放り込んだ。

洗濯機が作動し始めた後、私は、近くの椅子に腰をかけた。
そして、いつのまにか、うたた寝をしてしまった。

気がつくと、外は夕空になっていた。

私は、汚れが落ちた洗濯物を、急いで、バッグにしまいこみ、それを手に提げ、店を出た。

広めの駐車場に、ぽつりと一台、私の車が駐車していた。
駐車場の外の通路で、三人組の家族が仲睦まじく、娘を間に挟み、みんなで手を繋ぎ、歩いていた。

私は、その光景をみて、思わず、口元がほころんだのと同時に、なくなった家族を思い出してしまった。

私は、寂しさがわっとこみ上げる前に、車に乗り込んだ。
その他
公開:19/05/25 01:13

神代博志( グスク )









 

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