お父さん
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理由も分からず都会の高層マンションから田舎の木造アパートに引っ越してきたのは、葵が中学二年のときだった。
働き詰めの葵の父親は、たまの休みの日に家族そろって夕飯を食べているとき
「家族は宝物だ。命をかけても家族は守り抜く」
と、繰り返していた。そんな葵の父親が突然亡くなった。家の中から笑顔が消えた。それだけではなかった。金縛りや真夜中にうなされることが続き、ついには葵の弟と母親が原因不明の病気に倒れた。
葵は父親の位牌に向かって
「ねぇ!こんなことするのはお父さんでしょ!恨みでもあるの!いつも言っていたわよね、家族は命がけで守るって…」
葵のスマホに非通知電話がかかってきた。相手は聞き覚えのある声だった。
「…お父さん?」
「葵か…もう…」
「もうって何よ!」
「もう…お父さんの手に負えない相手だ…家族を守りきれなくてすまない…」
ふいに通話は途絶え、葵はその場に泣き崩れた。
働き詰めの葵の父親は、たまの休みの日に家族そろって夕飯を食べているとき
「家族は宝物だ。命をかけても家族は守り抜く」
と、繰り返していた。そんな葵の父親が突然亡くなった。家の中から笑顔が消えた。それだけではなかった。金縛りや真夜中にうなされることが続き、ついには葵の弟と母親が原因不明の病気に倒れた。
葵は父親の位牌に向かって
「ねぇ!こんなことするのはお父さんでしょ!恨みでもあるの!いつも言っていたわよね、家族は命がけで守るって…」
葵のスマホに非通知電話がかかってきた。相手は聞き覚えのある声だった。
「…お父さん?」
「葵か…もう…」
「もうって何よ!」
「もう…お父さんの手に負えない相手だ…家族を守りきれなくてすまない…」
ふいに通話は途絶え、葵はその場に泣き崩れた。
ホラー
公開:19/05/24 21:30
黒柴田マリと申します。ショートショート、大好きです。あと、リンゴも大好きです。
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