返事の無い手紙

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手紙を書いた。
好きになってしまったのだ。
「こんにちは、Kさん」
そう挨拶するMさん。
その日はいちご狩りだった。
ハウスの中のいちごは真っ赤な実をたくさん付けていた。
Mさんが笑顔でそばのおじさん達と話している。
そんな姿に遠く遠く感じた。
「Kさん、そのいちごおいしそうですよ」
突然のMさんの声に
「えっ!?」
と驚いてキョロキョロしてしまった。
「アハハ、目の前のですよ」
恥ずかしくなった。でも、話しかけてくれたMさんに
嬉しくなった。
その日、手紙を渡した。
時間が無い中書いた手紙は、一枚のレポート用紙になってしまった。
Mさんは驚いたようだった。
その後、彼女は姿を見せなくなった。
スタッフに聞いたら、「辞めたい」と言って退職したのだった。
Mさんの名札が外された職員のボード。
なぜかあの笑顔を思いだした。
頭に残るその姿。何度も思い浮かべ
ペットボトルの水を一気に飲み干した。
その他
公開:19/05/21 22:05

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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