ボール鬼やろうぜ

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ヒサシの十三回忌の法要を済ませて庭に出ると、ミツオがドッチボールを持っていた。
「ボール鬼やろうぜ」
「喪服が汚れ…イテッ!」
俺の顔にボールを当てて、ミツオは爆笑しながら走り出した。
「コノヤロ」
ボールを拾って顔を上げると、アキラとケンまで俺から逃げ出した。俺はケンを追いかけボールを投げるが、反転したケンがボールをキャッチ。
「っしゃ!」
やられた。ボール鬼はキャッチされたら鬼は交代出来ない。ケンはボールを遠くに放り投げて再び走り出した。
「くそっ」
走ってボールを拾い振り向くと、「ヘイヘイ」と3人が俺を挑発した。俺は大声で叫びながら3人を追いかけた。小学生の頃の姿が重なって見えた。一緒に逃げるヒサシの姿まで見えた気がした。

ヘトヘトになって縁側に腰掛けると、ミツオとアキラとケンが隣に並んだ。
「今、誰が鬼?」「わかんね」「まいっか」「わはは」

庭先でボールが跳ねて、夕陽に溶けた。
青春
公開:19/05/21 18:55
更新:19/05/22 10:14
スクー 蘇る鬼ごっこ

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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