公園が我が家

気が付くと薄暗い路地の真ん中で寝ていた。
空腹だった。
レストランのごみ箱を漁って、残飯をかき集める。
ハンバーグのかけら、エビフライのしっぽ、ご飯と混ざったスパゲティー。
夜の公園のベンチに座り、それでなんとか空腹を紛らわす。
濡らしたタオルで体中を拭いて段ボールの家で眠った。

朝起きると体中が痛く、しばらくストレッチをする。
自分で自分の体臭に顔をしかめる。
頭もかゆい。
公園のトイレの手洗い場に入る。
ゴミ置き場で拾った使用済シャンプーの僅かな残りで頭を洗う。
使用済みボディースプレーを逆さにして少し出てきた液体を体中になすり付けた。
布団代わりに敷いて寝たスーツの汚れを濡らしたタオルでふき取り、それを身に着け、ネクタイを締め、トイレの割れた鏡にウインクして公園の外へ出る。
そこから歩いて五分もかからない女子高が俺の職場だ。
学校じゃイケメン教師と呼ばれてさ、なかなかの人気者だぜ。