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玉手箱を開けてしまい、お爺さんとなった浦島太郎。
彼はその時、腰に恐ろしい物をぶら下げていた。お弁当である。
それは本来なら漁の途中で食べようと思っていた物。
しかし浦島は竜宮城の美食を前にその存在をすっかり忘れていた。
浦島の腰からは今、異臭を放つ箱がぶら下がっている。
人というのは面白い生き物だ。こんな臭い物、とっとと捨ててしまえばいいのに浦島と来たら興味本位で開けてしまった。
中は言うまでもないだろう…それは奇妙な塊となっていた。
普通ならこんな物は気持ち悪いと捨ててしまう。
だがこの浦島、かなりの変わり者でこの塊を指ですくうと食べてしまった。
こんな物食べて大丈夫なわけがない。美味いわけがない。まさに自殺行為だ。
「う…美味い…」
浦島は呟いた。いやいや。そんなわけない。そう思うだろう?
残念、浦島が食べた弁当は長年熟成されたため、なれずしとなっていた。今では寄食と呼ばれる逸品だ。
公開:19/05/21 18:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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