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「あんた、そのポストは使われなくなって長くなる。たま~に物好きな郵便配達員が中を覗きにやって来るがそれでも年に1回あるかないだか。もう一度出し直したほうがいいぞ」
古ぼけたポストに投函した俺に爺さんが言ってくれた。
俺は首を振る。
「これでいいんです。さっき出した手紙は未来の俺に宛てた手紙です。俺はさっき出した手紙が届くとき、そこに書かれた夢にどれだけ近づけているか楽しみでならないんですよ」
爺さんは「物好きな人だね」と笑ってくれた。
そんな爺さんもまた「儂が生きているうちに手紙が届くことを願うよ」と手紙を投函した。

2日後、未来の俺に書いた手紙が届いた。ちょっと早すぎやしないか?
それに何だこの紙?何々…
『料金不足のため、送り返させていただきます。指定の料金切手を貼り、再度送り直しください』
こういうのは早いんだな…

確認のために爺さんに聞いてみると「儂のは届いてないぞ?」答えた。
公開:19/05/22 18:38

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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