励ましの言葉は傍にいる

「疲れた」
　そうつぶやいた。
「辛い」
　共感して欲しい。
「大丈夫だよ」
　励ましてほしい。
「みんな辛いの。あなただけじゃない」
　こうして返って来る言葉に落胆。
「どうして分かってくれないの？」
　絶望する。
　もう駄目だ。
「コツン」
　小枝が頭に落ちてきた。
　痛い。
　頭に残る痛み。
　「あれっ？」
　何かが浮かんだ。
　もしかしたら世界は自分を理解していないのではない。自分が世界を理解していないだけ。
「みんな辛いの。あなただけじゃない」
　その言葉の裏。実は、
「心配しなくても支えてくれる仲間がいる」
　そう励ましてくれている。
　ベンチから飛び起きた。
　公園の噴水は曲線を描いて水を吹かせていた。
　街の景色。夕日は街の様子を見守るように隠れていく。
　時折吹く風は心地よく、歩き出した自分を応援してくれているように追い風になるのだった。