ドスえもん

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「ドスえも~ん!」
「どうした、のぶん太」
「過去に戻って人生をやり直してえんだ。なんとかならねえかな」
「しょうがねえな、のぶん太は。チャラララッチャラ~ン! タイム入れ墨~!」
「そいつは?」
「この入れ墨マッスィーンで全身に入れ墨を施すと、過去へ戻れるって寸法よ」
「ほ、本当か」
「だがな、想像を絶する激痛に耐えなきゃならねえ。それでもやるかい?」
「構わねえ」
「ふっ、いい目だ」
こうして施術は始まった。のぶん太は、歯を食いしばって激痛に耐え続けた。ドスえもんは、「ギブ、ギブ」という声を無視して彫り続けた。
そして、遂に完成した。
「よくがんばったな」
「し、死ぬかと思った。ん?」
すーっと、のぶん太の体が消えていく。
「始まったか」
「ドスえもん、恩に着るぜ」
「ああそれと、過去に戻っても入れ墨はそのま行っちまったか」
しっかりやれよ。
グラサン越しの景色が、微かに滲んだ。
その他
公開:19/05/20 22:25
スクー 全身入れ墨タイムスリップ

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