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もう何十年も帰って来なかった故郷の街だ。
懐かしさなんてない。
たまたま通りがかっただけの早く通り過ぎたかったはずの街。
何も良い思い出のない薄汚れた街だった。
雨の中、沈んだ気分で車を走らせた。
「カフェ・ミモザ」の看板の文字が目の裏に浮かんだ。
懐かしいのはあの場所だけだ。
いつもあなたと一緒に過ごした店。
街はすぐに夕闇に包まれ、雨が強くなり気分は重くなるばかり。
ふと見慣れた看板が目に入った。
ワイパーが動き、その文字が読めた。
明るく照らされた「カフェ・ミモザ」の看板だ。
私が街を出る時にはそこは更地だったはずなのに嘘のように建物も立っている。
少しためらい、そのドアを開けた。
あなたの声が私を迎えた。
「お帰り理沙」
その懐かしさに涙があふれた。
涙でゆがんだあなたの顔が血まみれになり、苦痛に歪み、カフェの椅子から崩れ落ちた。
私があなたを殺したのは夢ではなかったんだ。
懐かしさなんてない。
たまたま通りがかっただけの早く通り過ぎたかったはずの街。
何も良い思い出のない薄汚れた街だった。
雨の中、沈んだ気分で車を走らせた。
「カフェ・ミモザ」の看板の文字が目の裏に浮かんだ。
懐かしいのはあの場所だけだ。
いつもあなたと一緒に過ごした店。
街はすぐに夕闇に包まれ、雨が強くなり気分は重くなるばかり。
ふと見慣れた看板が目に入った。
ワイパーが動き、その文字が読めた。
明るく照らされた「カフェ・ミモザ」の看板だ。
私が街を出る時にはそこは更地だったはずなのに嘘のように建物も立っている。
少しためらい、そのドアを開けた。
あなたの声が私を迎えた。
「お帰り理沙」
その懐かしさに涙があふれた。
涙でゆがんだあなたの顔が血まみれになり、苦痛に歪み、カフェの椅子から崩れ落ちた。
私があなたを殺したのは夢ではなかったんだ。
ホラー
公開:19/05/20 11:21
更新:19/05/20 16:30
更新:19/05/20 16:30
もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)
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