歩きスマホ

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夕方、スマホゲームをしながら歩いていた。
レアキャラが出るよう祈りながらガチャを回した。ワクワクと画面を見つめる。
と。

ぽん。
後ろから背中を叩かれ、反射的に振り向いた。

振り向いた先には、近所の中学校の制服を着た人物。なんてことはない。普通の中学生に見えた。

首から上がない以外は。

鎖骨の上、首があり、頭が繋がっているはずの箇所。
何もない。空間だけが広がっていた。遠くの地平線に沈み行く夕日の紅緋色が鮮やかに見えた。

呆然と無の空間を凝視していると中学生は徐々に全身の色を失い、夕日の色を透かしていき… 消えた。
イヤホンからは、BGMが大音量で流れ続けていた。

後ろから見たら、スマホを覗き込むために首を折り曲げていた姿が、自分と同じ首のない存在に思えたのだろう。それに親近感を覚え、思わず背中を叩いてしまったのだろう…

どれだけ咎められてもやめなかった歩きスマホをやめた。
ホラー
公開:19/08/10 01:25
ホラー 夕日 歩きスマホ

PURIN

超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
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