夢の続き

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人はいつの日か、自分の夢を諦めてしまう。いや正確に言えば、忘れてしまう。


僕は、等身大の自分でいようと思い、サラリーマンになった。秀でた才能もないし、自分の人生なんてこんなもんなんだと思った。


幼い頃に憧れた夢がなんだったのか、今になってはもう、思い出すことすらできない。

僕の日々は、社会の歯車になって、身を粉にして働き、くたびれて帰る。その繰り返しだ。


先輩と飲んでいるとき、僕はそんな日々を嘆いた。
すると先輩は、少し怒ったように言った。



「俺はいつも思ってるよ。どうせなら大きな歯車になって、世の中の為になることをやってやろうって。」



「サラリーマンが夢を諦めた奴らの末路だなんて、そんな失礼なことはないよ。」


そして、「青臭いこと言うけどさ」と前置きをし、僕の目をじっと見つめて言った。




「サラリーマンになってからが、夢の始まりなんだよ。」
その他
公開:19/08/09 22:41

リンゴスター( 東京 )

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