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猛暑と仕事に疲れた俺は、ふらふらと夜道を歩いていた。
この音は…祭り?畑しかないのに。
音の方へ行くと、畑にたくさんの屋台が並んでいた。
驚きながらも、寄ってみる。
「顔の青いお兄さん!枝豆と生姜たっぷりのビールはいかが?」
萎びた体にじん、じゅわぁ~。
『ラタトゥイYou!ミニトマトすくいだよ』
泳ぐミニトマトをお玉型のポイですくう。
『大事に育てたら、おっきなトマトになるよ』
「こっちは輪投げ!うりうりうり」
あまりのゴツ押しに苦い顔をしながらも、挑戦。
ゴーヤの輪っかを投げて、入った的の食材とチャンプルーにしてくれた。
「バーニャ郎!これ、カウダ!」
山芋のお面は買わなかった。
胡瓜や茄子や茗荷たちの乗った「だし」も登場し、一段と賑わう祭り。
もろこしを担ぎ、俺もポップに弾けた。
やっさい!やっさい!
シャキシャキと元気になった俺。
瑞々しい栄養スマイルで、営業畑でも大収穫となった。
ファンタジー
公開:19/08/09 18:55

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』

★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。

・カプセルストーリー(恐竜バーガー、『菊池

の選択』、六文字の返信ほか)
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ショートショートの可能性と豊かさが詰まったアンソロジーですのでぜひ!
 

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