ジンベエザメが空を飛ぶ日

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暑い。あまりの暑さに僕は北の大地を目指した。
汗だくになりながら、行き着いた先は海。僕は海へ飛び込んだ。
溺れた。
泳げない事をすっかり忘れていた。これも暑さのせいだろう。
「あぁ、このまま死ぬのか」
そう思った時、バカでかい何かがこちらに向かって泳いできた。
ジンベエザメだ。
喰われるのだろうか。まぁ、どうせ死ぬんだ。どうなってもいいや。
そんな覚悟とは裏腹に、ジンベエザメは僕を背に乗せ、すごい勢いで海上へ飛び上がった。
海中に沈んでいたはずの僕は、あっという間に空へ連れていかれていた。
「大丈夫?」
ジンベエザメには、パーカー女子が乗っていた。
「君は?」
「海中遊泳してたら、あなたが沈んでたから」
「助けてくれたのか。ありがとう」
「いえいえ」
「ジンベエザメって空も飛べるんだね」
「へへーん。今日わたし誕生日だからねー」
そう言ってケラケラ笑うパーカー女子に、僕はただ見とれていた。
ファンタジー
公開:19/08/09 12:00
更新:19/08/09 12:11

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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