リア充ウォッチ

多機能ウォッチ「リア充」が発売された。24時間リア充の状態を把握することができるのだ。仕事、趣味、恋愛の毎日24時間のリア充データ記録。リア充の過不足を評価するステータス機能もある。
「うーん、ちょっと恋愛のリア充数値が低いな」
この時計のすごいところは、アドバイス機能が備わっているところだ。
「恋愛の数値を上げるにはどうすればいい？」
「イマノカノジョマンネリ　ワカレル　アタラシイ　フレッシュ　リアジュウ　アップ」
ウォッチは的確なアドバイスをくれる。僕は毎日が充実していた。

「別れよう。これ以上一緒にいてもリア充レベルが下がるだけだし」
『そのウォッチのせいね！』
彼女が、側にあった花瓶をつかんで、俺の腕に振り下ろした。
ウォッチが潰れ、腕の骨が砕けた。ウォッチが
「リアジュウ　ゼンメツ　リアジュウ　ゼンメツ」と繰り返す。

彼女はバッカみたいと笑って、俺の頭にも花瓶を振り下ろした。