優越感

「これ、便利ねー」
「そう、ファスナーが付いてるし、中身も見えて、かさばらないから重宝するわ」
「で、これに入れるの？」
「そうよ。見た目もケースじゃなくて、ぞんざいでしょ？見せしめには丁度いい」
「では人魚をここへ」
「ほんと魚みたい。こうすると。夢がなくていいわ」
「私たちは現実を生きるの。他の人より安定した生活が1番。愛と夢なんて見てられない」
「これを見てると、優越感が漲るわ」
フフフフフフフフ

ーー昔々あるところに、いえ、今の現実の世界に絵本や童話の主人公を手に掴む事が出来る力を身につけた人がいました。最初はお金にならないこの不思議な『魔法』を邪魔だと思いました。それより、人より違うことを恥だと思い隠していました。
が、ある時これは鬱積した気持ちを晴らす事ができると気づき、仲間たちと昼下がり、キラキラ光る主人公たちを狩ることにしたのです………

魔女はあなたのすぐ側にいるかも。