吸い込まれる

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九回裏、満塁 
僕はピッチャーマウンドに立っていた。
スコアは大林高校2 清水工業高校1
大林高校が一点をリード
この回を守れば僕達、大林高校は甲子園の切符を手にする事が出来る。だから決してここで負けるわけにはいかない。
もし、ここで負けたら今までやってきた血の滲む特訓が無駄になってしまう。泣く泣くエースの座を譲ってくれた先輩にも顔向けができない。
僕の肩にはプレッシャーが重く圧し掛かった。
オォォォーーー
打てるものなら打ってみやがれ
僕は、大きく振りかぶって、投げた。
ボール!!
白球はコースを外れ、内角低めを通過した。
掲示板のライトが青く光る。スコアは、スリーボール、ツーストライク
追い込まれた。もう、後がない。
僕は気持ちを切り替えるため、深く深呼吸をした。
よし。これで最後だぁぁぁ
僕の手を離れた白球はキャッチャーミット中央に吸い込まれる様に刺さった。
ストライクバッターアウト
公開:19/08/05 11:48
更新:19/08/05 14:54

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