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不思議な保険代理店の店員は、手をこねて、保険の説明を始めた。
「あなた様には、こちらの一生涯、貪欲保険をおすすめいたします。内容としては、いくら欲望に忠実に従っても、その分の代償を補填するという訳です。どうですか?」
私は、うさんくさそうな商売の話だと勘違いをしていたようだった。すぐに、書類に判をついた。

次の日から、私は、恋愛、仕事、金銭などどの欲求にも臆することなく従った。
私は満足な気持ちになった。

私は、数ヶ月後、保険を利用した感想を伝えようと、店に行った。
しかし、そこは空き地になっていた。

空っぽになった土地の真ん中に立て看板があり、注意書きでこう書いてあった。

「私の会社は倒産いたしました。あなたがたの欲求を莫大さにはうんざりいたしました。補填がきかなくなりました」
そして、そこの横には小さく新しい不思議な保険代理店の着工日が書かれていた。
その他
公開:19/08/06 01:26

神代博志( グスク )









 

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