信じられないほど信じてる

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「リーダーが、単独で敵のアジトへ乗り込みましたよ」
「リーダーは、信じられないくらい無茶しますからね」
「でも、リーダーは信じられないような奇跡を起こしてきたじゃないですか」
「俺たちを危険な目に合わせまいと、信じられないくらい危ない橋を一人で何度も渡ってくれたしな」
「そういうリーダーがいるからこそ、俺たちは信じられないくらい楽してるわけだし」
「信じられないくらい数字に弱いから、ベア0でも気づかないし」
「リーダーは信じられないくらい真っ直ぐだからな」
「でも、さすがに援護なしじゃ、捕まって拷問とかされてるかもしれんぞ」
「大丈夫ですよ。リーダーは信じられないくらい我慢強いですから」
「ええ。ここはリーダーを信じて、俺たちはゲームの続きを……」
 
 そのころリーダーは、えげつない拷問に耐えながら叫んでいた。
「信じられないくらい最高の仲間が助けに来てくれると、俺は信じているんだッ!」
ファンタジー
公開:19/08/04 14:51

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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