「でんせん」

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私は奇病に侵された。脚に電気が流れているのだ。ビリビリと。
ずっと脚が痺れているせいで夜も満足に眠れない。すっかり寝不足だ。
自慢じゃないけど、私はキャリアウーマン。でも眠気と脚の痺れが気になって仕事に集中できない。おかけで社内成績もビリになってしまった。
「男でもできたか? 公私混同はいかんぞ」
社内で唯一の男である社長が下衆な笑みを浮かべている。
あまりの悔しさに、私はこの奇病を社内に伝染させる事にした。奇病に侵されてから履き続けていたゴムパンツを脱いだのだ。
電気が落ちた。

数ヶ月後。
社員の成績はガタ落ちしていた。どうやら全員この奇病に侵されたらしい。誰もが目に隈を浮かばせ、青白い顔で机に向かっている。
そこに社長がやって来た。
「どいつもこいつも、たるんどる!」
そう言われても仕方ないじゃない。足元の乱れは、心の乱れ。ほら、私たち……。

みんなストッキングが伝線してるでしょ。
ホラー
公開:19/08/03 23:55

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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