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誰もが一度は冒険について、華やかな旅人の生き様が描かれた本を手に取ったことがあることであろう。
だから、誰しもが、冒険をすれば蜜月のような気分に浸ったかのような錯覚に陥るのである。
しかし、現実は全くの別ものである。
旅人は、古びた雑嚢を肩にかけ、空っぽの容器の蓋を開け、天からの恵みを待つ始末である。
道は泥濘で、足下は汚れていき、最後には履き物は機能しなくなる。
全ては運任せである。
風が吹けばそちらのほうに足を進め、風がやめば風見鶏の知らせを待つ。
そうやって、冒険は永遠に続いていくのである。
映像の描写も、主人公の苦悩は一切、絵面が悪くなるため、映さない。映しても集客の効果は見込めないのである。
公開:19/08/03 21:14

神代博志( グスク )









 

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