写真のおじさんの話

「何見ているの？」

『ん？私が子供の時の写真。隣に写っているおじさんが誰か思い出せなくて…』

「ちょっと見せて…って、これ！ジミー・ペイジじゃない！」

『ジミー・ペイジ？誰それ？』

「知らないの？イギリスのロックギタリストよ！うわ～。いいな～。あんたジミー・ペイジと知り合いだったんだ。私、レッドツェッペリンの超ファンだよ！」

『へ～。でも私、この人が楽器やっているところ見たことないよ？』

「えっ？そうなの？まあ、プライベートではギター持ち歩くこともないか…」

『私、このおじさんより、おじさんといつも一緒にいた茶色の着ぐるみの方が好きだったな～』

「茶色の着ぐるみ？」

『この写真の着ぐるみ』

「って、これゴン太くんじゃない！って、ことはこれ、ジミー・ペイジじゃなくてノッポさん！？」

『そうだ！ノッポさんだ！いつも黙っている変なおじさんだ』

「それはそれで凄いよ！」