YELLOW PARADE &38

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同じ様に生まれ、同じ様に育ち、同じ様に堕ち、同じ様に這いつくばって生きてきた。
それが今ではシマも与えられ、そこそこオマンマも食えるようになった。

盃を交わす方でもなく、本当に血の繋がった兄弟として、互いに、この極道、修羅の路をひたすらに突き進んできた。

それが、まさかな。

「兄貴」
波止場にて。弟がこちらに向ける銃口。
互いに、ここまで来たか。まさか弟からドウグ向けられる日が来るたあね。
「すまねえな、兄さん、死んでくれ」
俺の目を見て弟が言う。弟と、相対したのは、何年ぶりか。

今置かれている状況とは裏腹に、波止場は穏やかな空気だった。

「下ろせや、それ」
俺は弟に言う。
「死んでくれや、兄貴」
「嫌じゃ、痛いだろうが!」
俺は叫ぶ。

「兄貴」
「痛いのは嫌だ、と言うとるやろうが!!」
「兄貴」
「だから、はよそれ下ろせや!当たったらどうすんだ馬鹿野郎!!」

【必死】
その他
公開:19/08/02 21:08
更新:19/08/02 21:13

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