The Word is mine.

『この世で一番価値のある物を持ってきた者が、この美女の恋人になれる』
　突然SNSで流れてきたこのキャンペーンは瞬く間にバズった。千年に一人とも言われるその笑顔。魅力的なスタイル。接した人間全員がその魅力に釘付けになる。次々と豪華な物がSNSに上げられていった。限定の車。豪華な城。リゾートの島。一等地の高層ビル。どんどんその価値は高額になっていく。ピカソの絵。モーツァルトの直筆楽譜。僕は一体どうすれば良いのか想像がつかなかった。僕が出来る事は、ただ彼女への愛を文字にする事。日を追うごとに高価な物が並ぶ中、僕は愛の言葉をひたすら並べた。

　期限が訪れた。最終的に一番価値が高い物をその美女が決める。美女は目が眩む程の高価な物達ではなく、僕の言葉を選んだ。信じられない僕に美女は一言告げた。
「友達から、ね」

純粋な愛に勝る価値などない。

ちなみにどんな言葉か知りたいって？
いくら払う？