友達オークション

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『綾乃ちゃんの友達になれる権利』
闇のオークションと呼ばれるものに初めて参加したが、まさかこんなものまで売っているとは。
綾乃は三歳ながら将来は美しく成長することが確定しているような整った顔立ちをした女の子。僕は天使のように微笑む写真に一目惚れをした。全財産を使い落札した瞬間、僕は歓喜に震えて昇天した。
数日後、僕は綾乃の家に案内された。綾乃は僕を見るなり表情を輝かせ、ぎゅっと抱きしめてくれた。実物の綾乃はやはり天使だった。
それから僕は綾乃の部屋に住むことになった。僕と綾乃は友達だから当然だ。寝る時も隣で寝た。いつも抱きあって眠った。いろんな話をした。楽しい時も悲しい時も僕らはいつも一緒だった。

それから十年経ったある日、家族が引っ越すことになった。
「綾乃、あの汚いぬいぐるみは持っていかないでね」
ママの言葉に、荷物を整理していた綾乃は僕を手に取って、「はーい」とゴミ袋に投げ入れた。
ファンタジー
公開:19/08/03 17:51
更新:19/08/03 17:52
スクー

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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