不法侵入者と悪臭とサラサラヘア

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連日の熱帯夜。
しかし、その日の夜は妙に肌寒かった。
なかなか眠りにつけなかった僕が、ようやくウトウトし始めた時、顔面をファサッとしたモノに撫でられた。
ベッドから跳ね起きる。目の前に、黒々とした長い髪を垂らしたオッサンが僕を覗き込んで、いた。

「だ、誰だっ?!」
「オレ様が最後に風呂へ入ったのは何日まーえだ?」
「し、知らねぇよ!」

僕は不法侵入された怖さよりも、オッサンから漂う悪臭に吐き気がした。

「正解は、三百六十五日だぁ!」

丸一年じゃねぇか!

「と、とにかく臭いからどっか行ってくれ!」

僕がそう訴えると、オッサンはニヤリとした笑みを残し、ファサァ……と消えた。
今のは一体なんだったんだ?
夢か? 現実か? 怪奇か?
それにしても、オッサンの髪の毛サラサラだったな。
あれ? 丸一年も風呂に入っていないんだよな?
しまった……。

サラサラの秘訣、教えてもらえばよかった。
ホラー
公開:19/08/02 23:59
更新:19/08/03 00:20

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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