吸い込まれる

世の中には強力すぎる空気清浄機がある。

「ただいま」
私が扉を開けると突然、強力な吸引力で空気清浄機に引き寄せられた。
「くそ～、離れない。なんで？」
すると、空気清浄機が答えた。
「あなたのスーツには沢山の花粉やウィルスが付いています。家の中には持ち込ませません」
「わかった。わかったから、吸引力を少し抑えてくれ。息も出来ないじゃないか」
「御意！！」
すると、吸引力が弱まった。だが、また吸引力が一気に上がった。
「今度は何だよ」
「あなたの服は大変汚れています。洗いますので脱いでください」
「分かった。脱ぐよ」
でも、吸引力は変わらない。
「まだ、なにかあるのか？」
「靴下も」
「わ、分かった」
それでも、吸引力は変わらない。
「他には？」
「あなたはどうやら社会のダニの様ですね。フィルタ越しに見ても分かります。そのため、今からプラズマで分解します」
私は細かく分解された。塵一つなく