外灯に立つ女

私の周りにはろくな奴がいない

例えば、山田君
「俺は誰よりも目立ちたい。人気者になるんだ。そして女の子からキャーキャー言われたい」
そんな事を言っていた彼は今、刑務所の檻の中だ
何でも全身隈なく蛍光塗料を塗って全裸で街中を歩いたらしい
まあ、誰よりも目立っていた事は間違いない。
キャーキャーとも言われていた
人気者になったかどうかは疑問だ
そんな話を友人から聞いた私はむしろ、彼とは距離を置きたくなった

次に鈴木君
「俺は山田とは違う。ロマンチストだからね。あんな事をしなくても女の子にキャーキャー言わせる自信がある」

そんな事を言っていた彼は今、お化け屋敷で働いている。きっと生まれながらのゾンビ顔を武器に新規事業を立ち上げたのだろう。長く続けばいいけど。何でも最近、運命の出会いをしたとかで整形を考えているらしい、馬鹿な事を

なんで私の周りには吸い込まれる様に悪い虫が寄って来るなぁ