2
10
とあるバーで、不思議な空き巣の話を聞いた。いつもはアシスタントの彼女はマスターの留守に売り上げを管理していたので、週末には細心の注意を払って用心していたらしい。ところが帰宅してみると、ベランダの扉が開け放しになっていることとカーテンがたなびくことで異変を察知した。すぐ警察に通報して侵入経路やベランダの痕跡を調べたが、泥棒の形跡は全く見当たらず、あったのは無数の子供の手型と足跡ばかりだったと言う。「怖くてねぇ」とその話を切り上げた。
普通の出来事のように淡々と話すからてっきり空き巣の捕物だと思っていたが、なんかおかしい。
「その話は、空き巣の話じゃないよね?」と聞くと「やっぱりわかるのね?」と視線をこちらの肩の後ろあたりに運んだ。「だってそんなもの連れてきてるんだから…」と再びもう片方の肩の後ろへ視線を移してこう言った。
「わたしは、見えてしまうのね。だからさっきから様子をみていたのよ」と。
普通の出来事のように淡々と話すからてっきり空き巣の捕物だと思っていたが、なんかおかしい。
「その話は、空き巣の話じゃないよね?」と聞くと「やっぱりわかるのね?」と視線をこちらの肩の後ろあたりに運んだ。「だってそんなもの連れてきてるんだから…」と再びもう片方の肩の後ろへ視線を移してこう言った。
「わたしは、見えてしまうのね。だからさっきから様子をみていたのよ」と。
ホラー
公開:19/08/02 05:45
ログインするとコメントを投稿できます