吸い込まれる

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ある所に少年がいた
少年には悩みがあった
それは、おねしょである。小5になっても治らないのだ
母親は毎日の様に言う
「また、おねしょなの。あなたはいつまで布団に世界地図を描き続けるつもりなの」
だから、少年にとっては切実な問題だった
でも、少年にも言い分はあった
それは夢の中で鬼の様な顔の母親がどこまでも追いかけて来るのだ。だから、あまりにも恐ろしくて恐ろしくちびってしまうのだ
そんな事を母親に伝える事など出来るはずもない

ある時、少年は道端で不思議なお爺さんに出会った
少年がお爺さんに悩みを相談するとお爺さんは少年にある物をくれた
それは「紙おむつ」だった
「少年よ。そんなに悩む必要ないよ。私は今でもこれのお厄介になっているからね。これはね、いくら漏らしても紙の中に吸い込まれていくんだ」
それを聞き、少年は喜んだ
だが、母は困惑した
「あの子、おむつ、おむつって、おつむは大丈夫かしら」
公開:19/08/01 14:14

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