吸い込まれる

昔々、ある所に胸が小さい事を悩む一人の少女がいた。
少女は教室の周りの女子を見る度にハァ～とため息が出た。
「何で私の胸はこんなに小さいんだろう。サヤちゃんも、佳奈ちゃんも同じ年代なのに成長している。それなのに私は」
案外、少女の悩みは根が深そうだ。
そこで少女を慰めようと母親は言った。
「まだあなたは若いんだからそのうち大きくなるわよ」
少女は母親の胸をチラッと横目で見て、また、ハァ～とため息をついた。
「それじゃ、何でママの胸はそんなに小さいの」
「それはね。あなたが私の母乳を全部吸い込んで飲んでしまったからよ。だから、萎んでしまったの」
「それじゃ、何でママのお胸は四つあるの」
「それはね。私があなたと同じ年頃の時、流れ星に「大きなお胸が欲しい」と願ったの。そして翌朝、私が起きてみたらにはこうなっていたわ。だからお願い、「大きな胸になりたい」なんて変な望みをしないで。分かるでしょ」