第3話 安全な場所

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男は焦っていた。
エスカレーターを逆走し、道行く人を突き飛ばし、男は逃げた。
響くサイレンの音。
ラジオからは凶器を持った窃盗犯が逃亡中との速報が流れていた。
迫り来るパトカーと警官隊。
男は手近なタクシーに飛び乗り、こう告げた。
「どこでもいい!絶対に捕まらない場所へ連れて行ってくれ!最速でだ!」

それから数ヶ月後。
犯人の目撃情報も無く、事件は殆どの人々からも忘れられ、警察も完全にお手上げの状態であった。
そんなある日、サハラ砂漠にて刃物を持った邦人のミイラが見つかったというニュースが飛び込んで来た。
その他
公開:19/07/30 21:00
更新:19/07/30 19:00
紺碧タクシー

TAMAUSA825( 東京と神奈川 )

登場することが趣味です。

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