第1話 紺碧タクシー

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こんな都市伝説を聞いたことがあるだろうか。
とある寂れた駅のタクシー乗り場には不思議なタクシーが現れるという。
なんでも、そのタクシーは行きたい場所を告げれば何処へでも連れて行ってくれるらしい。

噂の真相を確かめるべく、ぼくたち幼馴染三人は夏休みの自由研究と称して、そのタクシーを探すことにした。
探すと言っても、小学生に出来ることなど、地元の駅を自転車で巡る程度である。
夏の日差しと蝉の声、どこまでも碧い空。リュックの中には麦茶の入った水筒。
結局ぼくたちは夕暮れまでにタクシーを見つけることができず、がっかりしながら解散したのであった。

会社の飲み会で終電を逃した帰りのタクシーの中で、そんな懐かしい夢を見た。
明日、地元の友達に電話してみよう。
見送ったタクシーは、あの日見た空と同じ色をしていた。
青春
公開:19/07/30 20:00
紺碧タクシー

TAMAUSA825( 東京と神奈川 )

登場することが趣味です。

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