吸い込まれる

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世界には色々な本がある。
辞書、学術書、絵本、エッセイ
その中でも特に人々を魅了するのはミステリー小説ではないだろうか。
一般的な本であれば、書かれた文章を最後まで素直に読めばそこで終わりだ。学術書、参考書なんかがそれである。
でも、ミステリー小説の場合は一味違う。
文字が嘘を付くのである

例えば、とある有名政治家がポロっと秘書に漏らした。
「くそっ、アイツさえいなければ。・・・ふっ、聞き流してくれ、私の独り言だ」

それを聞いたら普通、秘書が何か相手の息の根を止めるために工作をしたと誰でも思うだろう。素直に「なんだ独り言かよ」で終わるはずがない
だが、しかし、必ずしも悪人がよく喋り、眠るわけではない。
むしろ、脇役の様に陰に徹し、たまに事件を解くための鍵をドジっ子の様にポロっと口を滑らせ、落としていく。読者はそれらを一つ一つ拾い上げ、組み立てる。つまり、推理は至高(思考)のパズルである
公開:19/07/30 12:31

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